DEMOREEL

カメラマンがお話しする映像・写真・カメラのこと。訪れた場所のこと。生活のこと。

撮影の裏側 #001 THA ALBATROSS - Supernova - MV


THA ALBATROSS - Supernova (Official Music Video)

作品概要

ArtistTHA ALBATROSS

DirectorTakahiro morimoto

CameraKaisei Iwao

LightShohei Kajiwara

Shooting Report

限られた中で

今振り返ってみると、この撮影では比較的多くの制限がかかっていたように感じます。

まずは撮影時間の制限です。

すでに4年前の出来事なので記憶が曖昧ではありますが、実質4時間くらいしか撮影時間の確保が出来ていなかったと記憶しています。

撮影場所は太宰府市の松川運動公園の体育館で、12時間までの予約しかできなかったからです。

さらに、照明機材も今ほど選択肢がなく、ハロゲン電球500Wの照明が3灯。

しかし天候はそこそこ条件が良く、太陽の強い光が入ってしまうと、この日の照明機材ではパワー不足でした。

可能な限り外光が入らない状態で撮影できればいいなと考えていたところ、この日の天気は雨。

強い太陽の光にさらされることなく撮影に臨めたのは恵まれていたのかもしれません。

私が考えたこと

当時、カラーグレーディングという知識が乏しく、意図した色やコントラストには現場でカメラの設定を調整し、近づけるという手段を取っていました。

MVの企画を聞いた際、【Leica】というサードパーティーのピクチャースタイルが気になっていので、撮影前に個人的にテスト撮影を行いました。

デフォルトの状態では物足りない感じが強かったので、パラメータを調整し撮影に挑みました。

どんな調整だったかまでは覚えていませんでしたが、可能な限り照明の光とシルエットの部分が活きてくるような路線で調整していたかと記憶しています。

加え、このMVで特徴的な移動撮影。

実は体育館にあった荷台を使用して撮影を行っています。

移動速度が早く安定した動きが可能な上、1カット単位で疾走感を感じさせる映像にするために、レンズも中望遠域を使用しました。

後のベンチマーク

この撮影に携わったスタッフにとってはフリーランス初期の案件ですが、今でも定期的にこのMVの話が出ます。

必要最低限今映像を作っている大学生や専門学生よりも技術・機材・知識など全てにおいて劣っていたように感じます。

しかし、どの作品よりも、どの時期よりも、いろいろな意味で必死だったと思います。

もちろん今でも仕事や作品づくりに対して必死であることに変わりませんが、その時のそれぞれの生活環境や心境など全てが重なり合い仕上がった作品だと思います。

撮影機材

CanonEOS 6D , EOS 60D

Lens   Canon EF24-105mm F4 , EF 70-200mm F4 , SIGMA 17-70mm F2.8-4 , SIGMA 85mm F1.8 , Carl Zeiss 50mm F1.4