DEMOREEL

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フィールドレコーダーやICレコーダーの音飛びや録音が止まってしまう原因

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この記事で分かること

  • 音声レコーダーのトラブルの原因を特定しやすくなる
  • トラブルへの迅速な対応、解決が出来る

みなさんはこんな経験をした事はありませんか?

  • 録音した音声のデータが音飛びしている
  • 録音中に電源が落ちていた
  • 録音が勝手に止まっていた

などなど、音声レコーダーのトラブルに苛まれた経験がある方も多いと思います。

私もこういった音声の収録に関するトラブルを経験をしました。

経験談

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私はZOOM H5というハンディ型のリニアPCMレコーダーを長らく使用していましたし、今でも時々使用しています。

単三電池2本で動いてXLR端子も2チャンネルあるので、2〜3時間のセミナーや演奏会・発表会などの収録に最適でした。

そんなある日、とあるセミナーを記録していた時のことです。

収録を終え、自宅に戻りパソコンに記録映像とZOOM H5で収録した音声データの収録時間を確認してみると、およそ30分ほどZOOM H5の音声データが短なっており、音にズレがあることに気付いたのです。

慌てて音声データを再生してみましたが、やはり音飛びが発生しており、小説で例えるなら1ページ目の5行目から、いきなり10ページ目の8行目からスタートしているような感じでした。

どうにかバックアップで別の録音機材で収録していたので、事なきを得ましたが、気持ち悪い汗が全身から滲み出たのを覚えています。

どうすればいいの!?

こんな私のようなトラブルをしないためにはどうすればよいのでしょうか?

既にトラブルが起こってしまった人は、次回同じトラブルや別のトラブルを起こさないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

この記事がきっかけで、みなさんにこれから起こり得るトラブルを未然に防ぐことに繋がれば嬉しいです。

解説するトラブルの種類

まず、よくあるトラブルは大きく3つあります。

  1. 収録したデータが音飛びしている
  2. 録音中に電源が切れてた
  3. 録音が止まっていた

今回はこの3つのトラブルを軸に解説していこうと思います。

それぞれに共通した考えられる原因と解決方法

原因1:一時的な電圧の低下

【理由】

エネル○プなどの充電式電池を使っている。安い電池を使用している

【解説】

繰り返し使って劣化している充電式電池や、どこのメーカーかも分からない電池は、安定した電圧で電力を供給出来ない場合があります。

一時的な電圧低下により必要な電力が供給できず、録音が止まってしまったり、電源が落ちてしまうことがあります。

録音機器の電源が切れていれば原因の特定が簡単なのですが、お使いの機器によってはスタンバイ状態が続いていることもあり、その場合は判別が難しいです。

では、この状態の電池がどういう状態なのか、別のシチュエーションに当てはめて分かりづらく例えてみましょう。

【ケース】

仕事終わり。疲れたサラリーマンが電車に乗って帰宅している。

サラリーマンは電車の吊り革を掴んだまま一瞬眠ってしまった。

その際に身体の力が一瞬抜けてしまい、足がカクンとなってしまい、手に持ったカバンも落としてしまった。

しかしスグに目は覚めたため、身体が倒れてしまうことはなかった。

【対策】

充電池やノーブランド電池はテストやリハ用に。本番は新品の電池を使いましょう。

【豆知識】

ある程度のクラスの機材になると、録音機材にどの電池を使っているのかを認識させるための電池設定があります。

使い捨てのアルカリ電池は1.5V、充電式電池のニッケル水素電池は1.2Vの場合が多く、設定がズレたまま使用すると早々に電池が切れてしまう可能性があります。

この設定がズレていることによるエラーは聞いたことはありませんが、正しく設定し、正しく使いましょう。

原因2:SDカードによる不備

【解説】

多分ありとあらゆるエラーの原因はコレが一番多いような気がしています。

特に音飛びや録音の自動停止はSDカードの書き込みエラーを最初に疑っても良いと言っても過言ではありません。

なぜエラーSDカードによるエラーが起こるのか。法用量を守った利用をしているにも関わらずトラブルが起こる場合の理由は大きく分けると以下のようになります。

  1. SDカードの劣化により書き込み速度が低下している or 安定した書き込みが出来ていない
  2. SDカードのフォーマットが上手くいっていない or レコーダー内でSDカードをフォーマットしていない
  3. SDカード自体の個体差

最後の“個体差”という問題はどの機材類にも言える、誰も救われない現象なのでここでは無視します。

では、この状態のSDカードがどういう状態なのか、別のシチュエーションに当てはめて分かりづらく例えてみましょう。

【ケース】

私は5年前に20km/Lの燃費で走ることができる電気自動車を購入しました。

最近エンジンの掛かりが悪かったり、燃費も10km/Lくらいになっているように感じます。

走ることには走るので目的は達成していますが、給油の回数が増えたので今まで1時間で到着していた場所に2時間で到着するようになってしまいました。

【対策】

とりあえずSDカードを買い替えて、記録に問題がないかテストすることをオススメします。

SDカード購入の際は、機種が対応している中で一番書き込み速度の速いSDカードを選んでください。

テストの方法は以下を参考にしてみて下さい。

  1. 本体で収録できる最高の音質に設定して、出来る限り全てのチャンネルに音を入れて、バックアップ収録機能がある場合もONにして、SDカードがいっぱいになるまで連続収録して下さい。
  2. SDカードがいっぱいになり、全てのデータで音飛びが見受けられなければ大丈夫です。
  3. 音飛びや停止が発生した場合は、音質の設定を下げて同じテストを行って下さい。

※全てのチャンネルを収録することが面倒くさい場合は、自分が利用するであろう最大の範囲を想定してテストを行って下さい。

以上です。面倒ですが、一度やっておくと安心です。

特に「最高の音質」というのがキモで、最高音質での記録が上手く出来ない機種もあるんです。

最高音質で収録できない場合は、諦めて音質の設定を下げて収録しましょう。

【豆知識】

音声フォーマットの「〇〇kHz ▲▲bit」について。

kHz(サンプリング周波数)は、音声を毎秒何分割して記録しているのかを表しています。

ハイレゾの96kHzは96,000分割/秒ということです。

動画のフレームレートに近いものを感じますね。

bit(量子化ビット数)は音の厚みをどれだけ細かく記録するのかを表しています。

動画や写真にも8bitや10bit、16bitが存在するように音声にも同じように存在しています。

原因3:一時的な強い振動

【理由】

強い振動が加わることにより、本体の動作が上手く行かなくなってしまう。

【解説】

これはあまり説明が入らないような気がしますが、機械って強い衝撃が加わると壊れますよね?

今はあまりこういうトラブルはないのですが、大音量のスピーカーの近くや、振動がダイレクトに伝わる場所にレコーダーを置いて収録することはオススメしません。

では、この状態の本体がどういう状態なのか、別のシチュエーションに当てはめて分かりづらく例えてみましょう。

【ケース】

車と車が衝突しました。衝突した衝撃でエンジンが停止しました。 

【対策】

振動によるトラブルかを確認する時は、収録しながら本体を軽く揺らしたり、振ってみて下さい。

軽い振動でもエラーやトラブルが発生する場合は、本体を修理に出すことをオススメします。

また、揺れや衝撃は少なからず機材の負担につながりますので、揺れない場所など安定した場所に機材を置いて収録しましょう。

それが難しい場合は地震対策用品の耐震マットなどをレコーダーに敷いて収録して下さい。

【豆知識】

音声のケーブル同士が重なりあったり、電気が通っているコード類がXLRケーブルやレコーダーに接触したり近くにあると、ハムノイズが発生します。

ジー」や「ブーン」という音で、音声編集ソフトや最近では動画編集ソフトの音声編集機能にハムノイズを除去する機能があります。

出来る限り録音機材の周りには電源コードなどを置かない・伸ばさないようにしましょう。

原因4:本体の故障・不良

【理由】

使いすぎ or 初期不良

【解説】

コレまでの原因1〜3を全て試しても何も起こらない場合。もしくは全てに当てはまってしまった場合。

一度全ての現象と対策を記載した紙と一緒にメーカー修理に送ることをオススメします。

では、この状態の本体がどういう状態なのか、別のシチュエーションに当てはめて分かりづらく例えてみましょう。

【ケース】

機械は不備があれば修理をしますし、人間も身体を壊せば病院にいきます。

【対策】

おかしいな?と思ったらすぐにメーカーに問い合わせましょう。

もしかするとリコール品になっていて、無償交換品かもしれませんよ?

【豆知識】

ZOOM H5は収録に関する問題と、本体の材質が加水分解するので無償交換してほしいです。

まとめ

いかがでしたか?

もしここにはないトラブルやエラーが起こった場合はコメント欄に記入して教えて下さい。

この記事のパート2が生まれるかもしれません。