DEMOREEL

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【作例】XF50mm F1.0 R WRと巡る、山口県萩市城下町・岩国市錦帯橋

この写真だけXF16-80mmF4 R OIS WR

旅に出よう

先日、お仕事に唐突なキャンセルが入ってしまい、準備も含めると約1週間ほど空いてしまいましたので、飛び出るように家を出て山口県へと向かいました。

突然決まったことなので、何かが撮れれば儲けものくらいの感覚でしかなかったので、せっかくならXF50mm F1.0 R WR縛りで撮影してみようと思い、今回はこのレンズのみで山口県の二大城下町を巡ってみました。

おいでませ山口

萩市城下町

F1.4

萩博物館前駐車場に車を停めて、城下町散策をスタート。

遠くの空に初夏を思わせる雲が現れ、これから来るであろう暑さに心踊りました。

50mm F1.0は35mm換算で76mm相当の画角ではあるのですが、50mmは50mmだなーと感じました。

F1.6

初めに言っておく必要があります。今回はこの感じの画角が圧倒的に多いです。

何でしょうね。注視した時の視野に近い感覚のこの画角でこの町の細い道を撮影すると、この町の歴史を垣間見ているような気がしたんですよね。

……いえ、画作りの選択肢が少ないだけですね。精進します。

F2.8

50mm F1.0というレンズを使うにあたって、F1.0なんだからF1.0で撮りたくなるのですが、F2.8もいい感じです。

F1.0やF1.4で撮影をした時のクセが少なく、適度にクッキリ写るため全体のボケの溶け具合が丁度良く感じます。

F4.5

F4.5まで絞ると何となく全体にピントが合っているように見えなくもないですし、スマホで見る分には、こういう画角であればボケて見えないかもですね。

道のマンホールも、遠くの山の電波塔?みたいな人工物も見えますよね。慶長の頃には無かったでしょうに。

F2.5

F1.6

F2.5

F1.0

色々な絞り値で撮影した画像を一気に並べてみましたが、F1.0と他の絞り値のボケ具合、そしてピント面を見比べてみて下さい。

個人的にはF1.0の周辺のボケ具合というかクセ具合?がうるさく感じてしまい、私はあまり……あまり好みではないなと。。。

私は50mm F1.0をF2.8あたりの絞り値で使うのが好きだなと感じた萩の城下町でした。

F2.8

ところで。

萩駐車場前近隣の公園のベンチに本を置き忘れて帰ったのは一体誰ですか?

とてもドラマチックなベンチになっていましたよ?

F1.8

岩国市錦帯橋

F1.4

こんなにも綺麗なアーチを描いた橋を私は他に見たことがなかったので、アーチ部分はてっきりツルツルなのかと思いましたが、とても微妙な階段になっていたので、もっと感動しました。

……この表現わかります?

F2.8

洪水に耐えらえれる「流れない橋」をテーマに造られた錦帯橋は、200メートル程もある川幅をまたぐ必要があり、橋脚が無い跳ね橋(直線的に伸ばすような、お城の城壁から伸びる可動式の橋をイメージしてもらえると良いかと)で造ることは難しかったそうです。

F1.6

試行錯誤する中、ある日かき餅を焼いていた岩国藩主の吉川広嘉が、弓なりに反った餅を見て橋の形のヒントにしたそうです。

アーチとアーチの間も、石垣で頑丈にすれば洪水にも耐えらえるだろうと踏み、なんやかんやあって1673年10月に完成したそうです。

F1.8

そして、翌1674年。洪水によって錦帯橋は流れました。

———え?

流れちゃったらしいです。

F1.4

しかし、事件を受けて改めて石垣の研究をし、強化板錦帯橋を再建。

そこから250年以上は、この橋が洪水で流れてしまうことはなかったそうです。

スクラップ&ビルドの国、日本。ジャパニーズソウルを感じますね!……ね!?

F2.0

ちなみに、今も昔もこの橋を渡るには対価が必要で、昔は「橋出米(はしだまい)」と呼ばれるお米の税が徴収されていたそうで、この橋の補修管理に使われているとのことです。

F1.8

さて。

長い錦帯橋の長い歴史を紐解きながら橋を渡り、道なりに進むと岩国高校記念館という雰囲気のある建物が現れます。

目の前の芝生で一瞬ゲートボールに見えるスポーツをやっている方々がいましたが、これはどうもグランドゴルフというスポーツみたいです。

F1.0

吉香神社の狛犬の台座は整えられた台座ではなく、自然そのものを感じさせる荒々しく力強い台座でした。

まとめ

いかがでしたか?

バリエーションが少ない作例でしたが、ぜひ萩と岩国の両方に足を運んでみて下さい。

山口県といえば、ふぐと瓦そばのイメージがありますが、萩は萩焼・岩国は岩国焼という焼物でも有名ですし、岩国藩主に献上されていたとされる岩国寿司もあります。

地理的には日本海側と瀬戸内海側とで離れていますが、どちらも美味しいものや歴史が好きな方にはオススメの町です。

XF 50mm F1.0 R WRについて

さて。

本題であるこの50mm F1.0についてですが、やはり暗所で明るさを稼ぐために使いたい方や、APS-Cセンサーでもボケの量を稼ぎたいという思いでご購入される方が多いのではないかと思います。

しかし、最新の設計で作られているレンズのわりには結構クセがあるように感じており、Carl ZeissのクラシックシリーズのZeiss 50mm F1.4 Planar T*を使っていた時の感覚に近いものを覚えました。

しっかり個性を持ったレンズですので、明るさやボケの量はもちろんですが、作風に合わせてこのレンズを選んでみてもらえれば良いのではないかと思います。

また、かなりヘビーなレンズです。

使用したカメラがX-T4なのですが、X-T4が約607gであるのに対して、50mm F1.0の方は約845gと200g以上違います。完全に前重です。

金額もヘビーなので候補に上がっても色々と二の足を踏んでしまうレンズだなとは思います。

使い勝手や手頃さ、持ち運びやすさを優先したい方はXF50mm F2 R WRをお買い求めいただいた方が良いかもしれません。

それでもAPS-CセンサーでのF1.0の世界を覗いてみたい方には、ぜひオススメします。

他にもX-T4やX100Fで撮影した写真をInstagramにアップしていますので、お時間ある方はぜひ覗いてみて下さい!

 
 
 
 
 
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