Flexible ISOの追加に伴い
FX6の本体ソフトウェアのアップデートにより、「Cine EI Quick」「Flexible ISO」が追加されて半年以上が過ぎた2024年3月末。
ここ数ヶ月、現場でこんな声がチラホラと聴かれるようになってきました。
「Flexible ISOにして、感度を1200や1600くらいで撮影した方がノイズが少ない」
「ISO12800はやっぱり高すぎる」
いろいろお話を聞いていると、確かにそんな気がする……。
きっとそうだ!12800の方がノイズレスなんて異常すぎる!
よし。暴いてやろうじゃないの、そのノイズの多さをよぉ!!
テストの環境
本体側の設定はFlexible ISOに設定。
ボディキャップをつけ光が全く入らない真っ暗な状態で、ISO感度のみを変更し、本体内に収録。
その後Davinci Resolveに読み込み、トーンカーブでノイズが見える状態になるまで調整(どの感度の素材も全て同じ設定で調整)。
今回比較する素材は以下の通りです。
- 低感度ベース ISO800
- 低感度ベース ISO1600
- 低感度ベース ISO3200
- 高感度ベース ISO12800
では、比較した画像をご覧ください。
比較(収録画像)
比較(波形)
比較した感想
……疑ってごめんなさい。
とっても凄い技術で、いつも私たちの撮影をサポートしてくださり、誠にありがとうございます。SONY様。
現場で使っていて思うこと
実際、ノイズは比較した結果の通り高感度ベースで撮影する際のノイズは本当に少ないなと感じていますが、以下の場面では低感度ベースのISO1600で撮影した時の方がノイズが少ないように見えるなと感じています。
- 陰影がしっかりした影の部分(暗い場所や黒色の壁や服など)
結構主観的なお話であり、シチュエーションも少し特殊なため、この説明が少し難しいのですが、例えばコンサートホールで舞台の上に立つ一人の人物にのみスポットライトが当たっている状態があったとしましょう。
例えばそう、こんな感じで。
こういったシチュエーションの場合、暗い部分に発生するノイズが比較的目立っているように感じます。
高感度ベースになると、こういったシチュエーションでも全体の光量が少なくてすみます。
スポットライトの光量を下げるか、適正の露出を得るために絞るかNDフィルターで調整をする必要があります。
その際に、綺麗に絞り込めて上の画像の黒い部分をしっかり絞めることが出来れば良いのですが、少し明るくなってしまった場合(浮いてしまった場合)、ノイズが目立つなという印象です。
……ちゃんと説明できていますかね?
こういう時、私はISO1600で撮影したりしています。
まとめ
なんやかんや言いましたが、結局低感度ベースのISO800と高感度ベースのISO12800のノイズ感は同等であり、実用上全く問題ないと言えるのではないでしょうか。
本当、凄い時代になりましたね。