マグライナーとは
マグライナー(Magliner)はプロのフォトグラファーやビデオグラファーなど、写真や映像に関わる全ての方を対象にしたカートです。
カメラマン周りの撮影部さんが使用しているイメージがありますが、照明部さんも録音部さんも使っていたりして、撮影現場には必ずと言ってもいいほど目にする機材の一つです。
©︎マグライナーはマグライナー社が商標を持つビデオカートの商品名です。
アウトドア用キャリーカートではダメなのか
いくらマグライナーがビデオカートの中では業界標準みたいな顔をしていても、撮影現場で目にしない日はないと言われても、軽自動車やミニバン系で普段の撮影を行なっているビデオグラファーや中小規模の映像制作会社には無縁な存在。
むしろあっても重荷になってしまうだけなのでは?と思う方が多い時代になっているような気がします。
少なくとも私はそう思っていました。キャリーカートを2つ持って行ったり、2段に出来るキャリーカートがあれば良いのでは?みたいな感じで。
マグライナーが必要だ!
とある撮影にて。
「マグライナーをお願いします」
いや、これは盛りました。
「マグライナーじゃなくても良いけど、座ってモニタリングできて、荷物を置ける環境が欲しい」
的なことを言われたことをきっかけに、マグライナーを準備……もとい。
予算の都合上、マグライナーを作ることになりました。
ちなみに、マグライナーを作る際には下記の記事を参考に制作させていただきました。
本当に助かりました!有益な情報をありがとうございました!!
実際に使ってみて
それまで一度もマグライナーを使ったことがなかった私ですが、マグライナーを使い始めて、ようやくマグライナーの魅力に気づくことが出来ました。
出来ましたが、
やはり冒頭でも触れたように、マグライナーが無縁な存在になってしまう場面も存在することにも気付かされました。
それでは、マグライナーとアウトドアカートの、それぞれのアドバンテージとディスアドバンテージを紐解いていきましょう。
マグライナーvsアウトドアカート!
組立時/収納時
マグライナー:☆
カート :☆☆☆
組み立てや収納の手間。
収納時のサイズ感や、本体そのものの重量は圧倒的にカートが有利。
最近では対荷重が100kgを超えるカートも出てきており、使い勝手も良くなっています。
対してマグライナーは支柱を差し込んだりタイヤを取り付けたりと、製品にもよりますがある程度組み立てが必要です。
ハイエースやキャラバンのような車であれば、組み立てた状態で車に載せ、移動することが出来ますが、そうでない場合は現場で組み立てとバラシが発生してしまいます。
積載時
マグライナー:☆☆
カート :☆☆
こちらに関しましては得意としている運べるものが違うという印象です。
マグライナーは上段をモニタリングベースとし、下段をレンズケースやバッテリー、箱馬など。
物によっては三脚のヘッドをマグライナーに取り付け、カメラを固定して運搬することも可能で、現場に到着してすぐに撮影が出来る状態を維持したまま機材の運搬が可能です。
カートの方は、三脚やスタンド類など、高さがある機材の運搬に適しています。
すぐに使う状態を維持しなければ、どんな機材でも載せることが出来ますね。
運搬時
マグライナー:☆☆
カート :☆☆☆
こちらは、どちらも物による…という具合です。
マグライナーもカートも、タイヤが小さく細ければ悪路を進む事は出来ません。
タイヤが大きく太ければ、海の砂浜であっても突き進むことが出来るでしょう。
しかし、星一つ分の差はどこにあるのか。
それは運搬中に機材が転落する可能性はどちらが低いかという点です。
マグライナーは2段あり、各棚の縁は1cm程度です。
もちろん、転落防止ネットなどを活用すればマグライナーもカートも機材が落ちるようなことにはなりませんが、素の状態ではカゴ型になっているカートに部があると言えます。
撮影時
マグライナー:☆☆☆
カート :☆
撮影が始まると、カートはただの箱でしかありません。
しかしマグライナー違います。撮影現場では作業台として機能します。
- モニタリングベース
- 物を置く、書く
- 機材のメンテナンス場
- バッテリーステーション
- ジンバルのセッティング
- お昼ご飯を食べるテーブル
など、みんなの机として撮影現場を支えてくれます。
なぜマグライナーを使うのか
ここまでご覧いただければ、なぜマグライナーを使うのかが見えてきたのではないでしょうか?
機材も運べる撮影現場の棚机
マグライナーに限らず、撮影現場では機材を運搬する為の方法や、地面に直接機材を置かなくても良い環境が作れる機材は本当に重要です。
まとめ
マグライナーとキャリーカート。どちらが良いというわけではなく、どちらもあった方が良い機材と言えます。
ただ、お仕事のジャンルや車両の都合により、キャリーカートしか難しいという方もいらっしゃると思います。
拙い情報ではございましたが、ご自身に合わせた機材運搬方法へと昇華・カスタムするなど、みなさまの撮影ライフに少しでも協力できたなら幸いです。
また、悪路には不向きですが、スタジオや補正された道等で撮影する場合は、軽自動車にも乗る簡易的なカートもあり、そちらをまとめた記事も転載しておきます。