はじめに
最近、SmallRigとTILTAのカメラアクセサリー関係がとても似通っていると思うのですが、私だけでしょうか?
そんなことはありませんよね?だってあなたは今、この記事を読んでいるのだから。
カメラケージやトップハンドルを初め色々なパーツが似通っていますが、どちらも自社の関連パーツと親和性が高いように作られていることは理解していましたが、一つだけ明確な違いを感じられずにいた製品がありました。
それは【フォローフォーカス】。
しかもどちらの製品も【ミニ】という名を冠しているため、余計に違いを感じられずにいました。
……比較してみたい。
「分からないなら比較すればいいじゃない。」
SmallRig:https://amzn.to/3oo9LJG
TILTA:https://amzn.to/3D8rkDy
そうして私のもとに、二つのミニフォローフォーカスが届きました。
比較開始
箱
左がTILTA、右がSmallRigです。
まず箱のサイズ感が全く違いますが、なぜ二廻りほども違うんだ?
TILTAには「WARRANTY CARD (保証書)」が。SmallRigにはお菓子の箱に入っていそうな固めの紙が入っていました。
WARRANTY CARD(ワランティ・カード)とは保証内容を明示した条件で無料修理を約束した書類のことです。
保証条件は各自調べてもらえると良いかと思いますが、ざっくり言うとこんな感じ。
- 本製品の機械部品及び電子部品は一年間保証されます。(故意に壊した感がある奴は許さない。)
- 人為的損傷や勝手な改造・解体、本来の使用用途ではない使用。とにかくTiltaが正式に許可していない損傷が見受けられる場合は保証の対象外です。
- 保証期間中にはWARRANTY CARDの提出をお願いします。
- 一部特殊な例を除いて製品の故障によって引き起こされた偶発的な損傷に対する補償(金銭的な保証)は与えられません。
- これらの条項を解釈する権利はShenzhen Tietou Technology Co.Ltd,に帰属します。
ざっくりですがこんな感じです(多分)。
「SmallRigは保証が無いのか!?」
そんなことはありません。
以下URLに修理・交換のサポートが記載されています。
https://smallrig.jp/FAQ/warranty/
結構保証内容が違うので、保証の手厚さを重要視される方は目を通しておいた方が良いと思います。
おいおい。TILTAはケースの中にケースが入っているじゃないか。まるでマトリョーシカではないですか。
ちなみにTILTAは説明書も入っていました。
TILTAがいよいよ小さく感じますね。このケースは結構硬くて丈夫です。
SmallRigは厚いウレタンに保護されている状態です。
ようやくお目見えですね。
TILTAはかなりピッタリとコンパクトに収まっていますね。
TILTAは機能性重視な感じですね。堅牢性を高め、コンパクトに。都度リグをバラし持ち運ぶことを考慮して作られているように感じます。
SmallRigは製品が手元に届いた時の体験を特別にしようとしている感じがしますね。高級スイーツが入った化粧箱みたいな印象です。
同梱物
同梱されているものもほぼ同じですね
【Tilta Tiltaing Mini Follow Focus】
・Follow Focus本体
・フォーカスリング
・15mmロッド(長さ10cm)
・シングルロッドホルダー(ロッドクランプ)
・六角レンチ×2
【SmallRig ミニフォローフォーカス】
・ミニフォローフォーカス本体
・フォーカスリング
・15mmロッド(長さ10cm)
・NATOレール付き15mmロッドクランプ
・六角レンチ×1
SmallRigのロッドクランプがNATOレール付きなので、汎用性が高く使いやすそうですね。
それ以外はそんなに変わらないかも。
本体外観
いよいよ違いが分からない。
そう思っていましたが、一部気になる点が。
フォローフォーカスの取り付け角度を調整するネジが、TILTAはハンドルの内側に。SmallRigは外側に取り付けられています。
一見、SmallRigの方が調整しやすそうに見えますが、実はTILTAの方はネジ式ではなくレバー式になっているので、緩み過ぎる心配がほとんどありません。
SmallRigは無限に回せるので、緩み過ぎる可能性も……とはいえほとんど無いと思います。
TILTAが万が一緩み過ぎてしまった場合は、付属の六角レンチで一度分解し、調整ないといけなくなりそうですね。
ここは好みが別れそうですね。
ギア
左がSmallRig、右がTILTAです。
全く一緒で……おや?SmallRigのみギアの中心にロックマークがありますね?
これ、SmallRigはギアを交換できるんです!
これは一気にSmallRigに心魅かれる方が多いのでは!?
ただ大きくなり過ぎて力が上手く加わらず、上手く噛み合わなくならなければ良いのですが…そこの使用感は、また実際に使用して感想を書こうと思います。
ちなみにTILTAもギアは取り外せるのでもしかすると今後の展開次第では……
ハンドル部
左がTILTA、右がSmallRigです。
TILTAは少し大きく、SmallRigは指へのグリップ感を考慮しハンドル部が少し窪んでいます。
私個人の感想と致しましては、SmallRigのグリップ感のままTILTAの大きさが欲しいといった具合でした。
手が大きな方はTILTAの方が使いやすいかもしれませんが、SmallRigを使った後だと手が滑る感じが否めません。
SmallRigはハンドルを握ると手の開き具合が窄んでしまうので、手にゆとりがない感じですね。
コンセプトの違い
良し悪しでは語れないほど近似した製品であり、コンセプトの違いも垣間見えました。
私個人としては二つが合体してくれれば何も言うことはありませんが、この二つのフォローフォーカスを比較し、私はこのように感じました。
【TILTA / これまでの撮影現場を周到した製品】
【SmallRig / これからのユーザー層を意識した製品】
これはケースまで含めた感想です。
TILTAはこれまでの撮影現場で使用されてきたフォローフォーカスを、ビデオグラファーやワンオペ現場でも使いやすいようにアップデートしたような造りになっていました。
SmallRigは製品が届いたユーザーに感動を提供するような外装を意識し、購入したユーザーの撮影規模が変わった際にも対応できるようなオプションも用意しているように感じました。
軽く使用した感想
純正のシームレスフォーカスギアリングが噛み合わない
TILTAとSmallRigどちらからも発売されているシームレスフォーカスギアリングをSIGMAの50-100mm F1.8という大型のレンズに取り付けて使用してみましたが、どちらも上手く噛み合わない。
え?
どちらも?上手く?噛み合わない?
どういうこと?
全然別のフォーカスギアを持っていたので、そちらを付けてみるとそっちの方がハマる。全然良い感じ。なぜ!?
ハードストップは取り外した方が良いかも
SmallRigではABストップ、TILTAではハードストップと呼ばれていますが、どちらもハンドル部にある銀色のポッチです。
これはフォーカスのA地点B地点を決めるために使うもので、それ以上フォーカスを送り過ぎないように使うものですが(釈迦に説法な方はすみません)、結構邪魔になる可能性が高いです。
特にフォーカスを端から端まで送りたい人にとっては邪魔になります。
どちらも取り外せるようになっているのですが、TILTAは取り外すために付属の六角レンチに加え、プラスドライバーが必要です。
取り外し方はYouTubeにあるので、以下に転載させていただきます。
私も早速取り外しました。
まとめ
最後の最後に純正のフォーカスギアが馴染まないという最大の謎が残されましたが、いったいこれは解決するのでしょうか?
どうして全然違う会社から出ているフォーカスギアの方がうまく噛み合うのか。
次回「シームレスギア」デュエルスタンバイ!!
(気が向けば書きます)