はじめに
このブログはYouTubeにアップロードしている「色々カメラフィルターを比較してみた!【ブラックミスト・ディフュージョンフィルターなど他多数】」と連動したブログとなっております。
本ブログだけでも十分楽しんでもらえるような気もしていますが、YouTubeの動画も見ていただけますと幸いです。
事の発端
ブラックミストフィルターのブームが一旦山場を迎えたように思え、私は次はみんなどんなフィルターを使ってシネマティックを探究していくのかと考えていました。
私自身は「シネマティック」というのはよくわかりませんが、作品に合わせてフィルターを選んでいることは確かで、その効果による恩恵を少なからず受けてきました。
とはいえ、同じシチュエーションで、同じ設定で同じカメラで比較撮影をしたことはありませんでしたので、自分の中で明確に各フィルターの効果を理解していないのではないか?と思ったのです。
「だったら比較してみれば良いじゃないか」
その通りです。
というわけで、ブラックミストフィルターから新たな選択肢を見つけていただく一要因になればいいなという気持ちと、色々手元にフィルターが揃ってきた今、自分の復習のために比較に踏み切ったというわけです。
特に、Amazonやメルカリで買えるものを中心に比較しています。
今回比較するフィルターと効果
ディフュージョン系フィルター
Kenko Low Contrast No.1
ロー・コントラストフィルターは、その名の通りハイライトとシャドーのコントラストを弱める効果があります。強い日差しによって生まれた強い影を弱める効果がありますが、それに伴い画面全体が白っぽくなります。
ブラックミストと違い、点光源が大きく発光することはありません。
No.1と書いていますが、No.2とかNo.3とか見たことがありません。時代と共に消えてしまったのでしょうか。。。
Kenko Black Mist No.05
「シネマティック=ブラックミスト」として親しまれているフィルター。
キャッチコピーにも「映画のワンシーンのように———」とあるようにそんな雰囲気で撮れます。
私が学生の頃にも「映画っぽく撮れる!」と少し話題になりました。時代は繰り返しますね。
ロー・コントラスト同様、ハイライトとシャドーのコントラストを弱める効果があり、No.1とNo.05とではソフト効果が半分ほど違い、No.01よりNo.05は効果が弱いです。
他のフィルターと比べ、こちらは画面全体が白っぽくなり過ぎないようにコントラストを弱めてくれます。
Kenko DUTO
「デュート」と読みます。数あるソフト系フィルターの中でも強度は弱めで、フィルターの表面に波紋のような溝が刻まれています。
そのため、広角側での撮影や、絞りを絞り込んで撮影すると画に映り込んでしまうので、開放に近い絞り値や、中望遠レンズを用いた撮影に向いています。
肌やハイライトが滲んで、ふんわりとした雰囲気で撮れます。
MOMENT Cine Bloom 20%
アメリカのオンライン撮影機材専門店で、Cine Bloomは同社のオリジナルだ。
強度は10%、20%の2種類で、10%は20%の効果が半分になったとか、その辺は分かるが、その%がどのくらいの強度を表しているのかは定かでない。
こちらはローコントラストと非常に酷似しております。
Tiffen Pearlescent 1/8
映像のフィルターといえばTiffen。ハリウッドのフィルターといえばTiffen。
そういっても過言ではないほど映像業界のフィルターを支えた老舗中の老舗です。
こちらはコントラストを和らげつつ、デジタルならではのシャープさを抑える効果があります。
ストリーク系フィルター
動画の方では作例を紹介していますが、ここでは情報のみの紹介とさせて頂きます。
Excras 紙吹雪フィルター
ウルトラマンの変身シーンで出てくるような光感を演出できます。
光源からカラフルな光線が伸びているようなストリークフィルターです
NiSi Allure Streak Filter / Blue
以前このフィルターに関する記事を書いていますので、そちらをご覧いただければと思います。
とりあえず横に伸びたフレアが撮影できます。
比較してみた
一度YouTubeの動画をご覧いただいた後に、ここからの記事を読んで頂けますと幸いです。
日中の屋外
CineBloom 20%とロー・コントラスト No.1の効果が比較的近い印象ではありますが、シャドー部への影響が若干ロー・コントラスト No.1の方が強く出ているように感じますが、それ以外はほぼ一緒。
ブラックミスト No.05、パールセント 1/8、DUTOも非常に似通っていますが、ブラックミストは若干シャドーにまで効果が影響しており、DUTOとパールセントはハイライト部が他のフィルターのように「かすみ」のある感じではなく「滲んだ」ようになっており、その名の通り真珠のようです。
ボケている菜の花の発色はパールセントとDUTOが良さげですね。
日中の屋内
こちらも日中の屋外よりもCineBloomeとロー・コントラストのシャドー部への影響が顕著に見て取れます。
この比較画像では分かりづらいのですが、ロー・コントラストの方が日差し感を少し感じ、CineBloomeの方は少し暖色によっているように見えます(これらは、茶色い小瓶の白いラベルに注目していただけると分かりやすいかと思います。)
ブラックミスト、パールセントはほぼ一緒。パールセントの方が若干ハイライトが滲んで見えます。
今回、DUTOのみフォーカスの位置が変わって見えます。
茶色の小瓶にフォーカスを合わせていたのですが、緑の小瓶にフォーカスが移動しています。
これは操作ミスなのか、DUTOのフィルターに刻まれた波紋の溝が真ん中にフォーカスを合わせるような効果があるのか(視力回復効果が見込める穴の空いたメガネのような効果)は定かではありませんが、どちらにせソフトな効果は一番弱いですね。
夜間の屋外
ここまで一番効果の弱かったDUTOが急に開花しました。高校・大学デビューをしたようなパリピ感。光源から後光が差したようなフレアが出ていますね。
CineBloomとロー・コントラスト全体的に霧がかかったような雰囲気。湿度や温度を表現する時に良さそうですね。
ブラックミストとパールセントは霧がかったような効果は少ない代わりに、光源が大きく発光して見えます。
ブラックミストは光源周辺の光が膨張したように。パールセントは光源そのものが膨張したように見えます。
夜の点光源に対してはどのフィルターも顕著に効果が見て取れましたね。
まとめ
ちゃんと見てみると、それぞれのフィルターの個性が見えてきましたね。
特にDUTOのデビュー後パリピになる感じは誰しも身に覚えがあるのではないでしょうか?
ブラックミストフィルターはシネマティックな表現にはマストアイテムのように親しまれていましたが、みなさんが求める表現にもっとマッチしたフィルターが他にあると思います。
この動画やブログではフィルター濃度別比較などを行っていませんし、ハリウッドブラックマジックや、ブラックディフュージョン。グリマーグラスなどのニッチなフィルターの比較も行っていないので、まだまだ奥が深く、分からないことがたくさんありますが、選択肢を増やす一因となれれば幸いです。
ちなみに
今回、人を立たせてフィルターテストを行っていないのは、私が人見知りでモデルさんにお願いできなかったからです。
誰か!次フィルターテストする時に協力して下さいー!