4×5.65サイズのフィルターは…
高すぎる!!
事実。99%の人が下げて欲しいと思っている!(筆者の肌感覚調べ)
一眼カメラの普及により、一眼動画が動画市場の半数以上を占めるようになって数年。
カメラやレンズをはじめ、三脚や音声機材や照明機材、編集機器なども数年前と比べ手頃な価格になった機材が多い中、一部ユーザーにしか需要がないため価格が大きく下がらない種類の機材も多く存在します。
レンズフィルターはその中でも安価で質が良い物が増えてきました。
そんなレンズフィルターの中でも一際目立って価格が高いレンズフィルターがあり、それは「4×5.65」という特殊なサイズのフィルターです。
ブログタイトルにもあるように「TILTA Tiltaing Mini Clamp-on Matte Box」や「Smallrig Mini Matte Box」などをご利用中の方、または検討している方には馴染みのある規格だと思いますが、決して一般的なものではありません。
そんなこんなで、4×5.65サイズのフィルターは、例え特別な効果の無いクリアフィルター(本当にただのガラス)であっても高価なものが多いです。
どのくらい高いの?
「高い高いと言っても、それって実際にどのくらいの金額なの?」と思っている方もいると思いますので、ここでは主要フィルターメーカーから販売されている4×5.65 NDフィルターをご紹介させて頂きます。
なお、価格は記事を書いている当時のものなので、後々より安く、より高くなっている場合がございますので、ご了承下さい。
TIFFEN / ¥39,500-
Schneider Optics / ¥39,514-
MARUMI / ¥73,330-(ヨドバシカメラ参照)
Ikan / ¥49,458-(これだけNDの濃度が違います)
ね?お高いでしょう?
NDが何枚かセットになっているのであれば分かりますが、一枚当たりの金額がこれです。趣味で動画を楽しんでいる人は絶対に買わないでしょうし、企業のPRムービーやYouTube向けコンテンツを作っているプロのクリエイターの方でも買わないと思います。
安いビデオモニターや中古のレンズが買えちゃいます。
なぜ4×5.65フィルターを使うの?
屋外などで撮影をしていると、太陽光などの強い光がレンズに入ってしまいハレーションやフレアが発生してしまいます。
そのため、そういったことが起こらないようにマットボックスという機材をカメラのレンズ前に取り付けるのですが、レンズにねじ込み式のフィルターを取り付けることが困難(面倒)になってしまうので、マットボックス側にフィルターを取り付けることが出来る機構を設けました(推察)。
しかし、レンズの口径や画角が様々なので、ある程度大きなフィルターが必要となります。
事実、こういった角形のフィルターにも様々な大きさのフィルターが存在し、その中でも4×5.65という規格のフィルターが昨今の定番になったというわけです。
ですので、なるべく短くまとめると「マットボックスを使うとねじ込み式のフィルターが使い辛くなるから、こういう規格のフィルターを使う」ということです。
「そんなのプロの中でも一部界隈でしか使われていないじゃん!」
「別にレンズフードで対応するのでマットボックスなんて必要ありません!」
「偶像崇拝でしょ?みんなフレア好きだから積極的に入れていこうよ!」
なんて声も聞こえてきますが、映像意図や作風は人それぞれ。
マットボックスの重要性・必要性を感じている人も多く、少なくともTILTA Mini Clamp-on Matte BoxやSmallrig Mini Matte Boxユーザーの方々は、マットボックスって必要なものなんです。
そんなユーザーにとっての救世主が、今回ご紹介するZOMEiの150×100mm NDフィルターなのです。
救世主「ZOMEi 150×100mm NDフィルター」
このフィルターについてお話する前に、2つほどお話ししなければいけないことがあります。
お気付きの方も多いのではないかと思いますが、なぜブログのタイトルにはTILTAのマットボックスしか書かれていないのか。なぜ4×5.65ではなく150×100mmなのか。
それは「4×5.65 ≠ 150×100mm」であり「TILTA Tiltaing Mini Clamp-on Matte Boxに完璧にフィットするわけではない」ということです。
待って!まだ帰らないで!!
もう少し読み進めて下さい!取り付けても落ちないんですこのフィルター!!
……なんとか踏み留まって下さったようで、感謝致します。
4×5.65 ≠ 150×100mm?
この4×5.65というフィルターは、メーカーによってサイズが微妙に異なり、144×100mmや143.5×101.6mmなどまちまちです。
今回紹介するZOMEiのフィルターはスチル向けの角形フィルターであり、その中の150×100mmという規格のものであり、4×5.65のフィルターではないため「4×5.65 ≠ 150×100mm」なのです。
完璧にフィットしないのに取り付け可能なの?
まず、こちらの画像をご覧下さい。
パッと見た感じ、全然問題なさそうにフィルターが取り付けられているように見えるかと思います。実際そんなに問題はありません。
先ほどお話ししたように4×5.65フィルターはサイズに若干の違いがあるので、マットボックス側がそれらを考慮した造りになっています(推察)。
なので、Tilta Mini Matte Boxの方には取り付けることが可能なのですが……。
このマットボックス、フィルターを横にスライドインする形で取り付けるのですが、フィルターが外に飛び出ないようにするためのロックピンの内側に入り切らず、ロックピンの上にフィルターが乗っかってしまい、フィルターを圧迫する形でフィルターをロックするような状態になってしまいます。
んー文章だと判りづらいですね…
とりあえず「サイズアウトしていて、ベルトなしでパンツを履いている状態」や「線路の遮断機(ロックピン)に車(フィルター)が挟まっている状態」とでも言っておけば判りやすいですかね?逆に分かり辛いですかね。
そんなこんなで、完璧にフィットするわけではないけど使えているような状態です。
映りへの影響
濃度が上がるほどシアンにシフトするような印象があります。
使えないわけではないし、価格が激安なので全然OK。
フィルターをつけた状態でホワイトバランスをマニュアルで調整した方が良いです。
また、このフィルターは樹脂製のフィルターなのですが、一昔前の激安樹脂製フィルターは酷すぎて使い物になりませんでした。
私が昔、一時期使っていた激安角形フィルター
なんだかそれっぽく見えるのでテンション上がりましたが、解像度は落ちるしカラーシフトは濃度毎にバラバラで全然使えませんでした。
これに比べると性能は段違い!
Rangrersは「安かろう悪かろう」を体現した製品といった印象でしたが、ZOMEiは「安かろう丁度良かろう」といった感じです。
製品のアレコレ
ここは色々細かくこの製品について説明していきますが、いくつか箇条書きにしてご説明させて頂きます。
- フィルターケースが破れていたりする
- NDの濃度表記がどこにもないから自分で分かるようにラベリングする必要がある
- 樹脂製なので拭き傷や静電気には注意が必要
といった気になる点をあまり補うほどのお値段なんと1枚¥1,899〜¥2,399です!
濃度によって金額が若干異なりますが、ND1/2(ND0.3)〜ND1/16(ND1.2)までが¥10,000-以内で揃います。
前述した有名フィルターメーカーだと1枚にも満たない金額だというのに……幸せですね!本当に素晴らしい製品だと思います。
マットボックス用NDのデビューに!
「安物買いの銭失い」な製品が少なくなってきた昨今。
よくぞこの界隈にも素晴らしいコスパを実現した製品が登場してきてくれました!という感じです。
これからマットボックスの購入を検討している方や、マットボックスに使用するNDをお探しの方にはぜひオススメです!
ただし…
サイズ感の問題が拭いきれない。。。
とりあえず「TILTA Tiltaing Mini Clamp-on Matte Box」のユーザーにはおすすめします。