DEMOREEL

カメラマンがお話しする映像・写真・カメラのこと。訪れた場所のこと。生活のこと。

「特撮のDNA 特撮の科学展」に行って思ったこと〜映像制作の温故知新〜

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初代ゴジラの解説にある"特殊なレンズに替えて撮影をした"や、別記事に載っているシン・ゴジラの"XC10に特殊なレンズを用いて撮影"など、たびたび登場する"特殊"というワード。

"特殊"とは一体どんな特殊さなのだろう。

多くの人に見てもらうため展示なので、ここで用いられている特殊とは、同業者や知見のある方にとっての特殊さではないと思うので、きっと初代ゴジラマクロレンズやシフトレンズなどで、シン・ゴジラはコンバージョンレンズなのだろうと想像は出来るものの、事実は分からない。

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当時やその場を知る人にしか知り得ない知識や技術が多く残る業界が特撮なんだと思う。

「今ってそれ使う?」とか「CGでよくない?」とか、知っていても使うことがない事もたくさんあると思うし、それはそれで良いと思う。


「昔はガラケーというものがあってね、着うたがナンチャラ、掲示板がウンタラ」とか言われても、私はスマホの方が良い。


科学技術の発展に目を向ければ、時代遅れで不便な事かもしれないけれど、歴史としてフォーカスすれば、自分にとって何かしらのヒントになる事が隠れていると思う。


今回の特撮のDNAで今に通ずると思ったことは、ビオランテの70mmフィルムの合成の下り。

これは今でもいうところの4K、8Kで撮影して編集で合成・トリミング・カメラワークと同じ。

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多くの人が、想い描いた世界の映像化に試行錯誤し、昨今の作品が生まれている。

今回は特撮のDNAに行って感じた事として、こうやって文書を連ねているけれど、CMだろうとMVだろうと、番組でもVPでもVlogでもそれは変わらない。

その数だけ歴史があって、想いがあって、どの映像も紡がれてきた歴史の糸で繋がっている。

今、私たちが作っている映像も、その後生まれる映像作品の礎になる。


後世に学びの幅を増やし残すことが、今回の「特撮のDNA」であり、私たちが作品を作ることで出来ることの一つなのかもしれない。