ハーフって?
ハーフフィルムカメラという言葉を聞いたことはありますか?
デジタルカメラに様々なセンサーサイズがあるように、フィルムにも様々なサイズが存在します。
(本来は逆で、フィルムに様々なサイズが存在したからこそ、今のデジタルにも様々なサイズが存在するのです)
ハーフカメラとは35mmフィルムを用いて1コマで2枚の写真撮影を可能とするフィルムカメラのことです。
メリットとデメリット
メリット
倍の枚数撮影ができる
前述の通り1コマで2枚の写真が撮れるので、36枚撮りのフィルムでは72枚の写真を撮ることが可能です。
フィルムカメラでバシバシ写真を撮りたい方にはうってつけです。
コンパクトなものが多い
カメラ本体が比較的コンパクトなものが多く、ハーフカメラで有名なOLYMPUSのPENシリーズは不恰好ではありますが、サコッシュやポケットに入ってしまうサイズです。
様々な場所、色々な場面で邪魔にならず持ち運ぶことが可能なのも魅力の一つと言えるでしょう。
中古品が多く安い
これからハーフフィルムカメラを購入しようと考えている方には朗報です。
カメラのキタムラやメルカリなどで入手しやすく、出品されているバリエーションも様々です。
さらに価格も¥10,000以下のものが大半なので、おためし感覚で気軽に始めることが出来ます。
※レンズにカビがあるものや、装填したフィルムにカメラの外の光が入り込まないようにするための“モルト”と呼ばれる部品が激しく劣化したものの購入は避けた方が良いでしょう。
スマホで写真撮影をする感覚に近い
前述しておりますが、他のカメラと違い、通常の持ち方で撮影すると縦型の写真が撮れます。
iPhoneをはじめとしたスマートフォンなどで縦写真を撮ることがデフォルトの世代には、すんなり入り込めることでしょう。
※私は「おっ!?デフォルトが縦やんけ!」という感じで新鮮でした。
デメリット
写真プリントの金額も倍
当然のお話であり、デメリットではありませんが、36枚分撮影したフィルムを36枚の写真にしてもらうと36枚分の金額が掛かるように、72枚分撮影したフィルムを72枚の写真にしてもらうと72枚分の金額がかかるということです。
私はセコいタイプなので、24枚撮りフィルムを購入し48枚撮りとして使用しています。
しかしそちらの方がコストも削減できてシャッターも多く切れるので良くないですか?
プリントを想定しておらず、データでのみ受け取りを考えている方にとっては気にしなくて良いデメリットです。
基本的に少し粗い
フィルムに綺麗さを求めるのはナンセンスだと私は勝手に思っていますが、それでも人には許容範囲というものはあると思います。
通常1コマとして使用するフィルムの半分しか使用していないので、1枚の写真として捉えた場合、写真の粗さは目立ちます。
もちろんレンズの状態や、その場の光の状態。フィルムの持つ粒状性や人の感じ方によってここの意見にバラツキは出ると思いますが、少なくとも引き伸ばし(大きくプリントすること)を想定したものではありません。
“味”として捉えましょう!
私が感じたハーフの魅力
1コマに2枚の写真が収まり組み合わさることで、その1コマにストーリー性が生まれるように感じます。
全然違う時間・違う場所の瞬間と瞬間が繋がり、時として私たちに語りかけてきているように感じるのです。
その不確定要素を楽しめるのも、ハーフフィルムカメラの魅力ではないでしょうか?
あとがき
昔なぜハーフフィルムカメラが生まれ、盛り上がった時代があったのかをカメラ屋さんに聞いたことがある。
正しいお話かどうかは分かりませんが、発端はフィルムが高価だった時代に2倍の枚数写真が撮れたことは大きい。
結局衰退したけれど、当時はコンパクトで撮影枚数も多かったので、ジャーナリストのサブカメラとして使われていたとおっしゃっていました。
エビデンスが不明な締めくくりではありますが、私にとってはとてもロマンのあるカメラでありながら、時代が一周したことで、今の世代にも馴染む魅力のあるカメラだと思っています。